【読書】蜜蜂と遠雷_恩田陸

本屋大賞と直木賞のダブル受賞に加え、映画化まで決まってしまってすっかり話題の作品ですので知らない人のほうが少ないでしょう。

それでも読んだことある人が、少なくとも私の周りにはいませんでした。
おそらくは、通常よりも小さめのフォントサイズで、しかも上下段の2段カラムに分けて印刷されていたことが、読書のライトユーザーに高いハードルを設けてしまったからではないかと察します。
文庫化した今でも上下巻の2巻に分けての販売がされていて、ボリュームはそれなりに多い小説です。
私も読み終えるのに1週間以上かかりました。

でも全く読み疲れませんでした。
仕事と睡眠の足かせさえなければ、一気読すら可能なほどのめり込みました。
想像したよりもずっと読みやすく、分かりやすく、クラシック音楽という私にとっては未知の領域であるにも関わらず、物語後半ではまるで幼少時代からクラシック音楽に親しんでいたかのような錯覚さえ覚えるほどでした。

まずは冒頭、主人公の風間塵がオーディションで演奏するシーンで心を鷲掴みにされました。
クラシック音楽を知らないこと人生を後悔してしまうほど、そこでは素晴らしい音楽が満ち満ちているのです。
ストーリー的なサプライズや浮き沈み、紆余曲折はありますが、そこが肝ではなく、コンクールで演奏される音楽の一つ一つの素晴らしさ、それが文章で伝わってくる感動の連続です。

読み終えた後、思わずクラシック音楽をダウンロードしてしまいました。
もし「蜜蜂と遠雷」を読んでクラシック音楽聴いてみたいと思った人、マルタ・アルゲリッチがおすすめです。
特にプロコフィエフのピアノ協奏曲第三番の第一楽章がしびれます!

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