「お金とは何か」
という問いに対して皆さんは何と答えますか?
お金とは給料のこと。
お金とはお小遣いのこと。
お金とは労働の対価のこと。
お金はただのツール。
答えは様々でしょう。
どれも間違いではありませんし、自分がどう考えているかによって答えは変わるので正解はありません。
私は最近「お金=信頼」という話をよく耳にします。
私自身も、お金は信頼を表現するもの、信頼を変換したものという認識を深めてきました。
これまで会社員として3社で勤務していた中で
「こんなに頑張っているのに何で給料が上がらないんだろう?」」
といった不満をよく耳にしました。
私自身も自分の労働時間に対して給料が見合っていないと不満を持ったことは一度や二度ではありません。
そして、そんな不満を言っているうちは給料は上がることはありませんでした。
また、給料は頑張りではなく結果を評価するものとして考えている人も多いです。
(経験豊富なサラリーマンにはこちらの考えの方がメジャーかも知れません)
分かりやすいのはお店の売上を上げる、営業成績が上がる、経費を大幅に削減するなどですね。
しかし、売上をあげたからと言って給料が上がるわけでもありません。
私ものべ10年以上に渡り、様々な店舗で売上増、営業利益増を達成してきましたが、給料が上がることは非常に稀でした。
むしろ、給料が上がっているのは別の要因があるように感じていました。
なぜか?
上記のような不満を持っている人の大半は、給料(お金)は自分の頑張りや結果を評価するものだと考えているからだと思います。
もちろん社内の体制によって給料が上がりやすい、上がりにくいはあるでしょう。
しかしながら給料が上がっている人たちの大半は上記のような不満は言っていません。
給料=自分の頑張り、給料=結果の評価と考えているのは、とんだ勘違いです。
キングコングの西野亮廣さんが数年前から広めている「ホームレスの小谷(コタニ)」さんの話が面白いです。
ホームレスの小谷さんは家もお金も財産も持たない一人のホームレス(男)です。
小谷さんはホームレスですが仕事をしています。
自分の一日を50円という超破格で販売し、依頼主の要望に答えています。
草むしりを依頼されれば一日中草をむしっています。
イベントの旗振りを依頼されれば一日中旗を振っています。
50円で。
もしあなたが小谷さんの雇い主だったらと想像してみて下さい。
小谷さんに、例えば公園のゴミ・小石拾いをお願いしたとしましょう。
小谷さんはヒッチハイクなどを駆使して何とかあなたのもとに辿り着き、公園のゴミ拾いを始めます。
公園の面積は想像より大きく、午前中だけでは終わりません。
お昼ご飯の時間になりましたが小谷さんはお金がないのでご飯を食べません。
さて、あなたはどうしますか?
お昼ご飯にコンビニのお弁当と缶コーヒーくらいは奢るでしょう。
午後、小谷さんは一生懸命作業を続けます。
夕方ごろには終わるでしょうか。
作業を終えた頃には日も暮れ始めています。
疲れた小谷さんはやはりお金がないのでヒッチハイクでもして東京に戻るか、公園で野宿します。
さて、あなたはどうしますか?
晩ごはんをおごるでしょう。もしかしたら一緒に飲みに行くかもしれません。
一晩、家に泊めてあげるかもしれませんし、東京までの交通費さえ出してあげるかも知れません。
だって小谷さんはたった50円で、文句も言わず、あなたの依頼をこなしてくれたんですから。
もし、小谷さんが一日の労働の対価を8,000円に設定していたら、全く違う結果になったでしょう。
このような活動を数年間繰り返し、小谷さんはお金は得ずとも、全国のファンから絶大な信頼を獲得し続けました。
その後、小谷さんは自分の結婚式という極めて個人的なイベントをクラウドファウンディングで提案し、予想を上回る金額を集め、大成功します。
以上のことから分かるのは、お金=信頼という結果ではありません。
小谷さんがお金ではなく信頼を獲得したということ。
クラウドファウンディングによって信頼がお金に変換(西野さんは両替と表現しています)されたこと。
お金はお金であり、信頼は信頼でしょう。
しかし、お金を集めようとしてもお金は集まらず、信頼が集まるところにお金が集まるとうのは事実です。
ここで冒頭で書いたサラリーマンの不満に話を戻します。
小谷さんの話を理解すると、サラリーマンの不満が間違っていることに気づくはずです。
給料を上げて欲しいならまず信頼されることです。
いくら頑張っても、いくら結果を残しても、信頼されなければ給料は上がりません。
逆に、多少の失敗や間違いを犯したとしても、信頼されていればリカバリーはいくらでも可能です。
(多すぎる失敗や間違いは信頼を無くす最短の道ですのでお気をつけて)
この点に着目して自分の仕事環境や方法、周りの仲間や上司との関係性を見つめ直して下さい。
何か改善するべきことが見えてくるはずです。
例えば私は自動車の販売営業がメインの肩書きです。
普段は所属する店舗で仕事をしています。
しかし、会社や上司から求められていることは「私個人が1台でも多くの自動車を販売すること」ではないということに気づきました。
それに気づかず、自動車の販売にのみ注力していたとしたら、冒頭のサラリーマンと同じ結果になっていたでしょう。
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